鉄筋コンクリートなのに雨漏りが…それ、爆裂が原因かもしれません
2023年6月9日
雨漏りしやすいのは、木造住宅だけではありません。
「私の家は鉄筋コンクリートだから、雨漏りはしない」と思っていらっしゃる方も多いようですが、実は、鉄筋コンクリート造の住宅でも雨漏りが発生します。
最近では耐久性を考慮して、一般的な住宅にも鉄筋コンクリート造を採用される方が増えています。
ところが、コンクリート造の住宅は一旦雨漏りが発生してしまうと、木造住宅よりも甚大な被害につながる恐れもあります。
特に、「爆裂」という現象が起きた場合には、住宅構造の強度も低下してしまうので、すぐに補修したほうがいいでしょう。
今回は、鉄筋コンクリート住宅で起きる雨漏りの特徴と、その中でも特に気をつけたい「爆裂」について解説していきます。
目次
そもそも鉄筋コンクリート住宅とは?
鉄筋コンクリート造は、コンクリートの中に鉄筋を埋め込んで造る建物構造の一つです。
他には、木造(W造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがあり、木造住宅は一般的な日本家屋、鉄骨鉄筋コンクリートはビルやマンションで採用されています。
鉄筋コンクリート住宅は、木造住宅よりも遮音性や防火性、耐震性に優れており、一般的な集合住宅マンションで採用されています。
最近では、デザイン性や自由度の高さから、一般住宅でも多く採用されるようになってきました。
鉄筋コンクリート造の雨漏りの原因
雨漏りは、建物の強度や寿命を縮めるだけではありません。
雨漏りすると、排水管の損傷や漏電から火災にもつながります。
また、カビやアレルギーなどの健康被害、シロアリの発生などを引き起こしてしまいます。
雨漏りを早期に発見するためにも、雨漏りが起きやすい場所や原因を把握しましょう。
コンクリートの目地部分(シーリング 部分)
窓やドアのサッシ部分やコンクリートの目地部分にはシーリング が施工されています。
シーリングは、紫外線の影響を受け、時間と共に劣化していきます。
シーリングの劣化が進むと硬化して、ヒビ割れや剥離を引き起こします。
この隙間から雨水が入り込むと、雨漏りの原因になってしまいます。
屋上部分
基本的に、鉄筋コンクリート造の住宅は、屋根が平らになった「陸屋根」が採用されています。
陸屋根の形状はフラットになっているため水捌けが悪く、防水シートやウレタン塗装で防水層を作り、雨水の浸入を防ぎます。
しかし、紫外線や直射日光の熱によって経年劣化した防水層は、裂けや剥がれが起こり、雨漏りに発展してしまいます。
外壁部分
コンクリートは、気温によって膨張と収縮を繰り返すことで、ヒビ割れを引き起こしてしまいます。
また、地震や地盤沈下などによってもヒビ割れが起きます。
ヒビ割れが発生すると、コンクリート内部に雨水が浸入し、雨漏りの原因となります。
ヒビ割れを放置すると、「爆裂」といった現象を引き起こし、大規模な修繕工事が必要となってしまいます。
ベランダ部分
ベランダは、雨漏りが発生しやすい箇所です。
特に、手摺り部分の天面に設置する「笠木」は、複数の板金をつなげて固定しているため、隙間ができると雨水が浸入してきます。
笠木を取り付けているビスの錆や、穴、シーリングの劣化によって、雨漏りが引き起こされます。
鉄筋コンクリートの劣化症状は?
鉄筋コンクリートの劣化症状は、大きく分けて「ヒビ割れ」と「爆裂」があり、どちらも長期間放置すると、構造体の腐食が進行してしまいます。
補修費用を最小限にするためにも、定期的に点検してください。
クラック(ヒビ割れ)
クラックは、外壁の表面に発生したヒビ割れのことです。
幅が0.3mm未満、深さ4mm未満のヒビ割れを「ヘアクラック」と言い、補修も弾性塗料での塗装のみで問題ありません。
しかし、0.3mm以上あるヒビ割れは「構造クラック」と呼ばれ、雨漏りなどを引き起こすので、注意が必要です。
地震の揺れや地盤沈下、基礎の劣化による歪みの力は、外壁材全体に影響を及ぼして、構造クラックを引き起こします。
構造クラックを発見したら、専門業者に点検してもらいましょう。
コンクリートの爆裂
アルカリ性であるコンクリートは、時間の経過とともに大気中の二酸化炭素と結合して、中性化します。
コンクリートの中性化が進行すると、雨水や空気が鉄筋をサビさせてしまいます。
さらに、コンクリートの中にある鉄筋の体積がサビによって膨張すると、コンクリート部分を外部に押し出していきます。
押し出されたコンクリートは、表面の剥がれやヒビ割れを引き起こします。
この現象を、コンクリートの爆裂と言います。
爆裂は、経年劣化だけでなく、自然災害が原因のクラックからも発生します。
自然災害由来のクラックや爆裂は、火災保険が使える可能性もあるので、業者の方に一度相談してみましょう。
コンクリートの爆裂を放置するとどうなる?
コンクリートの爆裂で起きるリスクは、雨漏りだけではありません。
コンクリートの爆裂は、表面が剥がれて中の鉄筋が見えてしまい、古ぼけた印象となって美観を損ねてしまいます。
また、爆裂によって剥がれたコンクリート片が落下し、下にある人や物を傷つけてしまうことがあります。
小さなお子様やペットに接触すると、怪我を負う可能性もあるでしょう。
さらに、爆裂の範囲が拡大すると、広い範囲でコンクリート片が剥がれ落ちるので、耐久性が低下してしまいます。
こうなると、住宅の寿命を縮めるだけでなく、資産価値も大幅に下がってしまいます。
しかし、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、劣化の拡大を防ぐことができます。
むき出しになった鉄筋は錆の進行が早いので、最悪の場合、建物の倒壊といった危険性があります。
もし爆裂を発見したら、規模の大小を問わず、専門の業者に点検してもらいましょう。
コンクリート爆裂の雨漏り補修工程
建物の状況や爆裂の程度にもよりますが、一般的な作業の流れは以下になります。
1、点検・調査
雨漏り・爆裂が発生している箇所を、ハンマーを使って正確に調査します。
2、爆裂箇所のコンクリート剥離
膨張したコンクリートを撤去し、コンクリートが脆くなっている部分と周囲をハンマーやヘラでハツって、サビが発生している鉄筋を露出させます。
3、鉄筋のサビ落とし・防錆
ブラシなどを使って鉄筋のサビを綺麗に落とします。
サビは少しでも残すと再発してしまうので、丁寧に除去します。
一緒に防錆処理も行います。
4、樹脂モルタルやポリマーセメントの塗り付け
下塗り材を塗布してから、エポキシ樹脂製モルタルやポリマーセメントを埋め戻して補修していきます。
5、乾燥・塗装
エキポシ樹脂性モルタルやポリマーセメントが硬化し乾燥したら、フィラーで下地調整を行なって塗装仕上げをします。
6、工事完了
微調整が終わったら、引き渡し完了です。
コンクリート爆裂を早期発見する方法
爆裂は一旦発生してしまうと、拡大したり複数箇所で発生してしまいます。
複数箇所で爆裂を発見した際には、大規模改修工事が必要となるので、注意しなければいけません。
高額出費を抑えるためにも、早期点検と補修が必要となります。
☑︎ コンクリートの表面が膨れている
☑︎ 鉄筋が露出している
☑︎ ヒビ割れた場所に錆びた水跡がある
☑︎ 家の周囲に剥がれたコンクリートが落ちている
このような現象を発見したら、「爆裂」が起きている可能性が高いです。
そのまま放置すると、湿気や雨水などによりどんどん劣化が進行するので、劣化部分をブルーシートで覆ったり防水テープで浸入経路を塞いで、応急処置をしましょう。
雨漏りを引き起こす爆裂は、専門的な知識と道具が必要です。
高所からの転落や施工不良を引き起こさないためにも、無理にDIY施工せず、プロに補修してもらうようにしてください。
コンクリート爆裂の雨漏り修理は村井塗装へ
頑丈と思われがちなコンクリート住宅ですが、メンテナンスを怠ると、長期間住み続けることができません。
鉄筋コンクリート住宅で雨漏りが発生したら、爆裂が起こる前に、専門業者に点検を依頼したほうがいいでしょう。
劣化が進行すると爆裂を引き起こし、最悪の場合、自宅に住めなくなってしまいます。
雨漏りの兆候を見つけたら、早めの対応が重要です。
できるだけ複数の業者に現地調査を依頼して、見積書をもらってください。
鉄筋コンクリート造での雨漏りにお悩みなら、西尾市の村井塗装へご連絡ください。
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